フィリピン クオータビザ詐欺の被害拡大か

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法外な手数料を搾取した挙句に放置

 フィリピンのクオータビザや不動産を斡旋している業者に高額な手数料を支払ったにも拘らず、数年間も放置されているケースが多発している模様で、ある被害者グループが近くフィリピンの裁判所に損害賠償請求の訴訟を起こすことが分かりました。この業者は、インターネットのメディアを駆使し、日本での説明会なども頻繁に行うなど、様々なメディアを狡猾に利用してユーザーを増やしており、社名なども変えるなどして被害者を増やしており、非常に悪質であり、被害者も多いことから、当サイトでも訴状を入手し次第、この悪徳企業の実名と、経営者の実名を公開し、これ以上の被害者を増やさないために、日本およびフィリピンの警察当局とも連携しながら、情報提供をしていきたいと考えています。

クオータビザの詐欺被害に遭わないために知っておきたい事とは・・・

クオータビザってなんだ?

 さて、件のクオータビザのことをよく知らない方のために、簡単にご説明しますと、クオータビザとは、フィリピンに永住できて就職もできるビザです。アメリカでいうところのグリーンカードのようなものです。グリーンカードと違う点は、米ドルで5万ドルをフィリピン国内の銀行に預けられる資金的な余裕があるかどうかという点だけ。供託金の5万ドルは、フィリピンの銀行で残高証明を取ってビザがおりたら、すぐに引き出してしまってOKです。それに比べると、米国のグリーンカードの取得はそうそう簡単にはできないですね。
 つまり、クオータビザは、お金さえ持っていればカンタンに取得できる永住権つきのビザということになります。更新のための条件も非常にゆるいので、よく「最強のビザ」などと言われています。
 しかし、クオータビザは、最強といってもどんな場合でもクオータビザをとれば良いというのは誤りです。場合によってはSSRV(退職者用ビザ)という選択肢もありますし、観光ビザを半年ごとに更新しながら30年もフィリピンに住んでいる人もいます。つまりフィリピンに滞在するスタイルや目的によって取得すべきビザも変わってくるという事です。ですので、相談に行ったらクオータビザばかりを勧めてくるような代理店は要注意です。

 このクオータビザ(Quota Visa)は、毎年フィリピン政府が指定した国ごとに合計50の枠内で永住ビザを発行するという意味で、Quota(割当て)という単語が使われています。4分の1を意味するクオーター(Quarter)とは全くの別物です。日本にも50の枠しかありません。そして、毎年すぐに枠が埋まってしまいます。クオータビザの取得を考えている人は、年末までに代行業者を選定して、話を進めておいて、1月になったら即座に申請を出すような方法が効果的なようです。

リタイヤメントビザという選択肢も・・・

 SRRVリタイヤメントビザはルールの改定により50歳以上でないと取得できなくなってしまいましたので、今となっては使い勝手に問題が残ります。年次更新も5万円以上するということで。本当にリタイヤメントビザを取る必要性を再度確認したほうが良いでしょう。

オンラインカジノを経営する悪い中国人が群がったせいで、現在ではSRRVリタイヤメントビザは当局から目をつけられており、発給年齢が35歳から50歳に引き上げられてしまったことで、誰でも取れる安い永住権というメリットは無くなってしまいました。

クオータビザの取得手数料にご注意

 さて、クオータビザがなにものなのか、少しだけ分かったところで、このビザの取得代金がものすごく法外に高額だという部分に触れないといけません。
 そして、クオータビザを個人で取得することはリスクが非常に大きいです。提出する書類云々もありますが、年間で50しか発行できないビザを取り合うわけですので、クオータビザの取得実績が少なくても過去に1件以上あるフィリピン人弁護士を使うのが最も安全な方法と言えます。
 業者は、取得手数料が恐ろしく高い理由として、関係している移民局やフィリピン外務省の担当者が袖の下を要求しているというような説明をしますが、眉唾ものです。
 ただ、ある程度の袖の下を取るのは事実で、このせいで、個人にはあからさまに金など要求できないので、個人からの申請はだいたい無視されるか放っておかれます。個人での取得がほぼ不可能になるように簡単に取得できないような書類をもってこいと言ってみたりもします・・・。
 そして、このような袖の下があるのを良いことに、日本人経営の自称コンサルティング会社は取得手数料を250万円だの400万円だのと言いたい放題な価格をふっかけてきます。まったくどこまでも腐っています。
 さて、優良なフィリピン人の弁護士さんにお願いした場合のクオータビザの取得にかかる総額ですが、上記のようなグレーな金もすべて含めて、2023年現在ではだいだい40万ペソから50万ペソが相場です。日本の円が非常に弱いため為替損が出ていて円換算すると45万ペソは115万円近くになっていますが、それでも250万円以上もふっかけてくる日本人経営の悪徳業者よりはよっぽどマシです。

悪徳業者かどうかすぐに分かる方法

フィリピンでは、会社の「売り上げ」に対しては、BIR(Bureau of Internal Revenue)という役所が発行している通し番号つきの領収書に受け取った金額を記入して顧客に渡すというルールになっています。ですので高額な手数料を支払う場合は「BIRの正式な領収書を頂けますね?」と聞けば一発で悪徳業者かどうか判断できます。

BIRの正式な領収書はフィリピンのあらゆるビジネスが使わなければならないのですが、金額が少ないものに関しては、別途プリンタなどで印刷した紙に会社の屋号・電話番号・住所・ウエブサイトのURL、責任者のフルネーム・電話番号・住所などを書いた代替えの領収書を渡される場合がありますが、10万円以下の少額であればみんなやっていることなので問題ないと思いますが、ビザ手数料などのように百万円単位の大金を渡す際には、かならずもらうようにしましょう。違法営業をしている悪徳企業はそもそもBIRへの登録などしていないケースが多いので、正式な領収書など発行することができません。まずこれが発行できない場合は疑ってください。発行できる場合でもそのことだけで信用してはいけません。悪いやつというのは人一倍金に執着していますので、あの手この手で騙しに来ますので。

ちなみに、このルールに例外などはなく、レシートを発行しない悪質な業者が摘発されれば2~4年の懲役刑が課されます。

日本人が日本人をカタにはめる国フィリピン

 フィリピンの当局だけでなく、50万ペソ以上の金額を要求してくるビザ代行業者は要注意です。インターネットなどを見ていると、200万円とか、なかには400万円なんてばかげた数字をさも当たり前のように書いている会社を見ますが、絶対にそんなにかかりませんから、そんな会社を相手にするのは止めましょう。すべていい加減な詐欺会社です。
 特に、契約書をよく読まないでサインするのは絶対にやめてください。これをやってしまうとフィリピンではどんなに筋の通らない理不尽な契約でも有効になってしまいます。

結局一番いいソリューションは

 結婚しているなら13a結婚ビザを申請、お金に余裕があるならクオータビザを取得、そうでない人は、離婚制度が無く、一度結婚すると仲が悪くなったときにどえらく面倒くさいことになることを考えても、同じ彼女と何年もフィリピンに住んでいるなら腹を括って結婚・・・。いや、なかなか踏み切れないですよね。わかります。

観光ビザで1年住んでみて

 これを言うとよく返ってくるのが「私は過去に1年ほど住んだことがあります。そのときは温暖な気候と楽しいフィリピン人たちに囲まれて楽しく過ごしましたので移民ビザを取ろうと思っているわけです」(汗)
 いいですか? お金を払ってあげる関係なら、土下座でも太鼓持ちでも売春婦でもなんにでもなるのが東南アジアの人間です。表面上はニコニコでフレンドリーです。表面上は・・・。
 そして、これが一番大事ですが、かならず日本に帰れる前提でいいとこ取りだけして何年住んでみてもなにもわかりません
 まず、日本を捨てて永住するつもりで1年住んでみてください。なるべくお金の関係がない(あなたがお金をあげなくて良い)フィリピン人たちと関わってみてください。フィリピン人がストリートで食べているものを食べ、医療、行政サービス、運転免許、銀行口座、インターネット・電気・水道の支払い、全部やってみてください。
 そして言葉がすこしわかってきたら、彼らが表面上ではあなたのことを「サー」だの「シャチョウ」だのと言っておきながら、裏ではどんなに口汚くののしっているか分かってきたら、そのときこそが、あなたが本当にクオータ移民ビザを取得すべきなのか判断できるときです。

クオータビザの適正価格が判明

 不当に高額なクオータビザ取得費用を支払う前に読んでほしい関連記事

最後に

 最後になりますが、人の弱みに付け込んで金を搾取しようなどという悪徳会社を許してはおけませんので、訴状が出次第本サイトにて詳細をリークいたします。ほんとうに同じ日本人として恥ずかしく思います。
 もしも、クオータビザの被害に実際にあわれている方で、独りで相談する相手もいない場合は、この画面のトップメニューの「CONTACT]から筆者にご連絡ください。無償でご相談にのります。

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