成人病対策スパイスカリーを構成する部品
スパイスカリーは、以下の部品から構成されます。
- たまねぎを炒めて作る素朴なグレービー
- 野菜と低プリン体の食材からとる無塩なのにしっかり美味しいブイヨン(ベジブロス)
- カリーの具となるメイン部分
まず、グレービーとベジブロスは、成人病によくないとされる食材を使わない健康的なスパイスカリーを作る上で、必ず使う共通の部品です。これらの部品に、メインとなる食材をあわせることで、成人病対策済みの絶品スパイスカリーが完成します。
スパイスカリーを作る前に準備するもの
基本的な考え方
その1 プリン体対策
プリン体は尿酸値を上げる原因になります。プリン体は鶏ささみやレバー、豆類などカレーの具材として非常にポピュラーなものに多く入っています。このブログでは、あえてこのような素材を使いたい場合のヒントとして、乳製品の併用と、「茹でこぼし」のテクニックを使って、プリン体を低くした素材を使う方法を提案しています。
乳製品(ヨーグルトや牛乳)は、プリン体の排出を助けます。カレーの味に深みをもたらすヨーグルト、カレーを食べるときの飲み物に牛乳などの乳製品を摂ることをおすすめします。
その2 塩分対策
カレーを調理するうえの様々な工程で「塩」をちょくちょく使います。一般の成人が1日に食べて良い塩の量はたった5gです。グレービーを作る際にたまねぎをローストする時、カレーの味を整える時など多くの場面で塩を使います。付け合せでパンをつければまた塩分・・・。などなど考えると、すぐに規定の量を超えてしまうことは想像に難しくありませんね。そこで当ブログでは、カレーにあえてなるべく低塩分なスパイスカレーを目指します。
その3 塩を入れないと味がしまらない?
これは事実です。しかし、野菜くずからとった濃厚なブロススープを加えることで、塩をほとんど使わなくても、十分に濃い味を作ることができます。本ブログでは、この野菜の濃厚ブロスを、「ベジブロス」と呼んでいます。これをしっかりつくり、たまねぎを炒めて作ったグレービーと合わせることでカレーを完成させます。
その4 油対策
成人病予防は体重を減らすことが最も効果的です。ダイエットを考えると、米やパンなどの主食の炭水化物とともに食べるカレーには、なるべく「油」を入れたくありません。そこで、本ブログでは、スパイスのテンパリングに使う最小限の油以外は、素材から出る油などもキッチンペーパーで拭き取って、なるべく油分を使わない方法でスパイスカリーを作る方法を提案します。ただし、油を少なくすると、スパイスやタマネギを焦がしてしまいがちになるので、失敗しないように火加減に注意してください。
その5 糖質対策
糖質も成人病予防には大敵です。そこで、本ブログでは、バスマティライスやタイ米などのインディカ種の米も、日本のお米も「湯取り」といって、「炊く」のではなく「茹でて、糖質が滲み出た水は捨てる」方法により、米の糖質もできるかぎり排除して食べる方法を提案します。
まとめると・・・
このようにして完成したカリーは、超低塩・低脂肪分・低プリン体・低糖質なので、成人病がこわい世代でも安心で、かつ芳醇なスパイスの香りと、スッキリとした辛さが引き立つ絶品のスパイスカリーになるはずです。しかも、グレービーとベジブロスは多めに作っておいて、冷蔵庫で保存できますので、朝の忙しい時でもささっとおいしいスパイスカリーを調理することができます。この場合、ごはんではなく、プリン体の少ないタマゴと少量のギーだけで作ったオムレツ(スクランブルエッグでも)や豆腐などとたっぷりの野菜を合わせてもいいと思います。
妥協点をさぐるとしたら・・・
低塩・低油・低プリン体・低糖質でスパイスカレーを作ると、確かにヘルシーではありますけど、引き締まった味にはなりにくいです。自分ひとりで食べるなら我慢もできるかもしれませんが、家族などがいる場合は、家族を巻き込んでしまいます(泣)。
そこで、グレービーを作る際に、粉のスパイスを入れるタイミングで、塩をたまねぎ800g(10~12皿分ほど)に対して小さじ1加えてみてください。味が劇的にまとまります。この量であれば、成人の1日の塩の摂取制限(5g)を遥かに下回っていますので、パンなど塩を含む食品を食べすぎないように気をつければ、問題ないように思います。
なにしろ、塩だって人間には必要な栄養素ですから、完全に断ってしまうのはよくないので、まずは、最低限度の塩で作ってみて、血圧などを測定しながら、自分の合う量を探してみてください。
むしろ、気をつけないといけないのは、「油」の摂取量です。1日の摂取量が大さじ1.5杯を超えないように注意しましょう。本ブログの苦肉の策で、少量の油で弱火でたまねぎをローストすると、ほんとうに少ない油の量で作れます。これなら1日3食カレーを食べても大丈夫です。
誤解を恐れずに言うと、下で紹介しているグレービーのレシピの最後のほうで紹介しているように、強火でたまねぎをローストしたほうがカレーらしい香ばしい味になるのですが、それにはそれなりの量の油を入れないといけません。このあたりは、いろいろ工夫して、低温ローストのグレービーと強火ローストのものを交互につかったり、組み合わせるなど工夫してみてください。
基本のグレービー
すべてのスパイスカリーの土台となるグレービーです。多めに作っておいて冷蔵庫で保存できます。冷凍すれば1ヶ月は持ちます。当研究所(笑)では、この段階では辛味につながるスパイスは加えないで、辛味は最終的にカリーを仕上げる段階で調整できるように作りたいと思っています。そのためお子さんのいる家庭でも調整が効くカレーにできます。
成人病でも大丈夫、無塩ベジブロス
カリーに深みとコクをもたらすベジブロスです。これの代わりに骨や鶏ガラで取ったフォンドボーやブイヨンを加えれば、お店で出すようなカレーが作れますが、今回は、成人病に気をつけなければならない世代の人のためのスパイスカリーなので、プリン体が多い食材や塩や油などの余計な調味料は一切使わないでブロスを作ります。最初のベースのスープ部分は野菜のみでつくり、さらに深い味わいとコクを出すために、2段階目として比較的プリン体の少ない豚のひき肉と基本の野菜で更にダシをとり完成させます。
ライスは湯取りで
成人病対策としてもダイエットとしてもライスの糖質を少し下げることができる[湯取り」による炊飯方法をオススメしています。
付け合せも自作で
じゃがいもカレー風味
スパイスカレーにベストマッチなロートコール風赤キャベツ煮
追い辛薬味、ソース、ドレッシングなどなど
スッキリ辛い飛び辛薬味
絶品追い辛カレー専用だけど何にでも合う食べるラー油
つけあわせの野菜に使いたいヨーグルト・ドレッシング2種類
食後にチャイはいかが?
カロリーや糖質を計算してみよう
自作カレーでどれくらいのカロリーや糖質を計算してみるのも良いと思います。
ギャラリーはインスタグラムで
成人病対策で摂らない方が良い食材と摂ったほうが良い食材
なるべくなら摂らないほうが良いプリン体の多い食材
- 牛・豚・鳥のレバー
- サンマ
- スルメイカ
- カツオ
- 鶏ササミ・胸肉
- マアジ・大正海老・ズワイガニ・マイワシ
- 魚の干物全般
プリン体が少ない食材
- 牛乳
- もずく
- じゃがいも
- おくら
- 長ネギ
- たまご
- たまねぎ
- チーズ
- 白菜
- わかめ