とんでもない目に遭わないように、業者に依頼を出す前に、もう一度よく調べましょう。日本人が日本人をカタにはめる国フィリピン。とくに国際結婚や永住ビザと遺族年金は「丸投げ」ですべて丁寧にやってくれるイメージがありますが、この分野は日本人が日本人を騙す最悪の業者が特に多い分野です。今回はそんな困った人の足元につけ入る最悪な自称コンサル会社の見分け方を伝授します。
国際結婚に騙されるな！
フィリピンに事務所をかまえる国際結婚の手配を代行する会社は、フィリピン人との結婚の手続きはフィリピン国内でするのがいちばん安全などと「大ウソ」を垂れ流します。フィリピンの結婚手続きは、そもそもキリスト教式の「結婚式」を執り行わなければならないなど、日本では考えられないような面倒な手続きが「必須」です。しかし業者が教えない、もっとカンタンにできる手段があります。
日本で婚姻届けを出し、その事実をフィリピン大使館に届けるだけ
当然、日本での婚姻手続きの要件に「結婚式をすること」などという項目は入っていません。結婚式はやりたければ好きなところで好きなだけやれば良いわけです。そして、なんといっても日本での婚姻手続きは、紙を出すだけですから、簡単です。パートナーのフィリピン人の出生証明などの必要書類を集める必要はありますが・・・。それはパートナーに頼めば良いことです。
日本で結婚してそのまま日本に在留する
日本で結婚をする場合、そのまま日本に居住するパターンも多いようですが、これは必須ではありません。日本で結婚後、フィリピンへ行って住むことも可能です。その場合、フィリピンで結婚ビザを手配することになります。
日本での婚姻・結婚ビザは、まず行政書士
日本で国際結婚をしたり、フィリピンや日本の配偶者ビザを手配したりする場合は、日本の行政書士にお願いするのが一番賢い選択です。マニラの小汚い雑居ビルの中にあるような劣悪な日本人経営の「自称」コンサル会社などを使うと、後々面倒なことになりかねません。
✖ 適当な結婚式をすると一生恨まれます！
良い年をして孫みたいなフィリピン女と結婚することが恥ずかしいからでしょうか。フィリピン人との国際結婚を斡旋する業者の中には、薄汚い雑居ビルの踊り場のようなところで必要最低限の結婚式を執り行う業者もいて、そういうサービスを利用してしまう人がいます。
でもちょっと待ってください！
フィリピン人に限らず若い女性は自分の結婚式に夢を持っています。友達や親族をみんな招待してささやかでもしあわせな結婚式をしたいと考えています。それなのに、国際結婚の手続き上必要だからといって薄汚い雑居ビルのなかの便所の前みたいな場所で適当な式をあげたりしたら、あなたのパートナーはどう思うでしょうか？
フィリピンの法務翻訳を数多く見てきた筆者の知る限りでは、日比のカップルが離婚訴訟になったときに、フィリピン人女性が必ず書いてくるのは、「私は子供の頃から、ささやかでもしあわせな結婚式を小さな教会で、友だちや家族を招いてするのが夢だったのに、この日本人にそんな夢までぶち壊しにされて、一生恨んでやる」もう呪いのような言葉が連ねられているわけです。
こんな状態で、仲が悪くなって別の愛人もできたことだからなどといってアナルメント裁判などしようものなら、妻側の同意とサインが必要なアナルメント。結局、妻側から多額の金銭を要求されたり、家や車を購入しろなどと言われたりすることもあるようです。
離婚手続きに１００万円かかる！？バカ言ってんじゃないよ
フィリピンには離婚という制度がありません。経験なクリスチャンの国だからだそうです。なんともアホな制度ですが・・・。まあ法律で決まっているのでしかたないですが・・・。日本人経営のなんちゃってコンサルはココでも最悪なウソをついて詐欺まがいのサービスを展開します。
フィリピンでの離婚は２種類ある
まず、フィリピン国内で離婚をする場合、離婚手続きというものはなく、離婚がそもそも最初から無かったということを裁判所に申し立てる「アナルメント裁判」という名の裁判を提起しなければなりません。この手続きは裁判ですので非常に長い月日がかかるのと同時に、婚姻関係にある二人がそろって申し立てをしなければ成立しません。つまり、夫の側が一方的に離婚したいと思っているような場合は、妻側に完全に有利になってしまい、多額の金銭などを要求されるケースが多発しています。」
日比の離婚の場合はもっとカンタン
日本人とフィリピン人の離婚の場合は、実はもっとカンタンで短期間で終わる制度があります。これが「海外離婚認証」というものです。これは裁判ではなく「申し立てや陳情と同じ」で裁判ではありません。
ようするに、日本の市役所で離婚届を受理してもらって離婚を成立させてから、この日本で成立した離婚をフィリピンの行政に認めさせる申し立てをするというものです。こちらの場合は３ヶ月から半年くらいで結果がでますし、なにしろ日本で離婚が成立しているわけなので、もう一度フィリピン人側の同意やサインは不要です。
◉ 離婚認証のメリット
海外離婚認証は、日本で離婚が成立していれば、フィリピン人側は離婚にすでに同意をしていると判断されますので、あらためて条件の交渉などをする必要は全くありませんし、フィリピン人側のパートナーに出廷を求めたりする必要も、依頼金を支払ったりする必要もありません。
✖ フィリピンの悪徳コンサルはこの違いを混同させてくる
離婚認証裁判と言っておきながら、アナルメントの準備書面を出したり、フィリピン人側に慰謝料を支払わなければならないなどウソの説明をして金をだまし取ろうとします。さらにめちゃくちゃな陳述書を出したり・・・。通常半年で終わる離婚認証裁判にいろいろ難癖をつけて５年とか１０年もかけて挙句の果てに失敗したり・・・。要するに、提携しているフィリピン人の弁護士に良いように舐められているか、もしくは善良な顧客を詐欺まがいの方法で煙に巻いて金を取ってやろうという悪徳業者かのどちらかです。どちらにしてもろくなものではありませんね。
遺族年金をだまし取る！？
近年非常に多いのは、フィリピンの未亡人（受給者本人）に日本の遺族年金の手配をすべて無料でやってあげるから、そのかわりに年金を１年分よこせなどというとんでもない業者がいることです。海外で遺族年金を受け取る場合、受給資格社の銀行口座に２ヶ月おきに米ドル建ての年金が送金されます。これをなんだかんだと理由をつけて奪い取るわけです。
一番多い手口は、遺族年金の手続きをするための費用を工面できない人のために、ローンを組んであげるという名目で癒着先の銀行とつるんでローンを組ませ、年金が入った瞬間に引き落としをかけてしまう手口です。
これとは別の一番悪質な手口は、遺族年金の受給者の銀行口座をその自称コンサル会社の社員との二重記名の口座にし、遺族年金の受給者一人だけでは資金を引き出せないように細工した通帳を使って年金をだまし取る手口です。日本の年金事務所に対しても詐欺になる日比両面での卑劣な違法行為です。そして申請を出す際には、通帳に書いてる二人目の（自称コンサル会社の社員の）名前を修正液で消して、あたかも受給者本人の個人口座であるように偽装して申請を出し、不当に年金を搾取する行為をします。
これはれっきとした違法行為なので、絶対にこんな悪徳業者に相談をもちかけてはいけません。
フィリピン悪徳業者あるある
では、フィリピンの悪徳業者にありがちな特徴をすこし解説しておきましょう。
▲ 日本大使館の眼の前にある
これは日本大使館の眼の前にあるから全部悪徳業者だというのではありません。自分で結婚やビザなどの手配をしようと日本国大使館へやってきたものの、書類の不備や手続きの難しさから門前払いをされたような邦人を、大使館前で待ち構えていて、声をかけて客をひっかける「一本釣り」なる行為を繰り返す業者のことです。
このような業者は１枚数ペソでできるコピーなども言葉巧みに誘導して数千ペソを要求したり、できもしない手配や作業を請け負って、金だけだまし取るような悪い業者のことです。
このような業者は大使館から「ゴミ」と呼ばれて嫌われています。
✖ フィリピンでは裁判官がいきなり来ないことがある？？
裁判が予定通り進行していることを装うために、「何月何日にフィリピンの法廷に出廷してください」などともっともらしいことを言うものの、航空券を手配してホテルも予約して、いざその日が近くなってくると「こちらで書類のをうまく手配したので出廷しなくて良くなりました」・・・。ありえません。怒って渡航費用はどうしてくれるんだと講義すると、「フィリピンでは判事が急に来ないことなんてよくあるんですよ」・・・。おいおいおいおい、お前がよろしく手配したから出廷しなくて良くなったんじゃないのかよ。最初に言ったことと内容が変わってきちゃってるよ。
ようは全部ウソです。フィリピンの法廷は日本のように１つのケースに裁判官が一人つくようなものではありません。出廷の日には、審議を待つ何十人もの人が１つの部屋に詰め込まれて、順番に一人ひとり審議されていきます。
そして大抵の場合、出廷日は２ヶ月以上前から決まっていますから、そんな裁判官の都合で来ないだの来るだのを突然言ってくることは「まず」ありえません。これだけでもフィリピンの法廷を侮辱しています。
✖ BIR公認の領収書を出せない？出さない。
フィリピンでは顧客からお金を受け取った場合、BIRという役所が発行したビジネスの名称と通し番号が印刷された正式な領収書に金額を書いて顧客に渡す義務があります。少額なお金のやり取りでは発行しないところも多いですが、ビザの費用や婚姻の手続きなど２万ペソを超えるような高額なものについては、支払った側にしても領収書の提示をしないと本当に支払ったのか証明が難しくなるようなケースもありますので、必ず「BIRの正式な領収書」を要求しましょう。これが発行できない（しない）業者は、違法行為をしているわけですので、すべて詐欺会社だと思ってください。
BIR公認の領収書が出せない本当の理由は、売上金を税金を支払わずに全額着服しているからです。それ以外の理由はありません。見え透いたウソに騙されないでください。
✖ 女性にだらしなさすぎる経営者
どれくらい女遊びをしたか、最大何人の浮気相手がいたか、フィリピンにある悪徳業者では、そんなことを自慢する経営者がたまに居ますが、そういうのは論外です。フィリピンでも水商売の店に喜んで行くような外人は白い目で見られていることを忘れないようにしたいものです。
筆者などは弁護士や警察の偉い人に紹介されるときに、「この日本人は夕方になると家で彼女に料理を作ってあげたり、少し収入があると、彼女の家族にフルーツや薬や食べ物を持っていったりするような人で、ゴーゴーバーやカラオケバーなどのいかがわしい店に出入りしているところを見たという人は一人も居ない善人なんだよ」とよく紹介されています。金にものを言わせて女を漁る外国人は、普段どんなに偉そうなことを言っていてもフィリピンの人たちからは相当に嫌われていることを知ってください。
悪徳業者の経営者は、非常に良く自分の自慢話しをしますが、裏金を使う外国人や、女に汚い人間はフィリピンではゴミ扱いしかされていません。
偉そうなことを言うくせに会社はゴミゴミした町中の小汚い雑居ビルの中
まあ、普通ならそんな大使館そばでもオフィス街でもマカティでもBGCでもない場所の小汚いビルの中にあるような会社に大事な手続きを任せたりしないと思いますが、切羽詰まってきたり、魅力的な値引きを提示されたりすると、どうも騙されてしまうようです。
もう１つ重要なことは、日本代理店など絶対に信じてはいけないということです。どうも日本に代理店があると安心するようですが、そこが悪徳業者の思うつぼです。クオータビザの詐欺で有名な会社は、日本での説明会に来た被害者を軟禁してOKと言うまで外に出さないなんていう前時代的な暴力団まがいのことをするところもあります。
そもそも日本での代理店があるということは、そこでも中抜きをされているということですので、料金が不当に釣り上げられていることは間違いありません。日本に直営のオフィスや連絡担当の社員がいるのであれば問題ないですが、全くの別法人で日本代理店を謳っているところは十分に注意しましょう。代理店の担当者がどんなに輝かしい自分の経歴を提示して安心・安全を謳っていても、必ずなにか裏があります。多くはフィリピンにいる愛人を日本の本妻にばれないように裏金を作ろうとしているような悪党です。
✖ ウエブサイトやSNSに騙されるな！
日本人は書面やメディアに出ていることを鵜呑みにする傾向があります。見栄えの良いウエブサイトや動画サイトなどに悪徳業者は力を入れます。しかし過去の実績などの証拠となるデータがほとんどありません。
永住ビザなら、そのビザを取得した人たちはどんな状況でビザを取得したのか。国際結婚なら、どんな問題を克服したのか。過去に遡ってじぶんたちがやってきた「これまでの１つ１つのケースの実績や概要」の説明がどこにもない。会社のステークホルダーの説明が怪しいサイト、「今」しか見えないウエブサイトは「詐欺会社の特徴」です。
本当かどうか疑わしいような、ただ顧客が満足した、素晴らしかったと笑顔で写真や動画に収まっているだで、案件の詳細な状況説明などは一切でていないサイトはどんなに美しいデザインで作られていても信用してはいけません。内容がウソだから詳細がかけないのです。
５００ペソも出せばホイホイと証書でも賞状でもなんでも公式に作ってくれるフィリピン。ウエブサイトでどれだけ自分たちが表彰されているか、称賛されているか、と力説されても、実際にどんな実績があるのかどこにも書いてありません。本当は実績などないからです。
結論
フィリピンでは善人ズラして、日本人会で顔が利くだの、フィリピンの省庁に太いパイプがあるなど、耳障りの良いことばかりを言う自称「なんちゃってコンサル」は、絶対に信用してはいけません。
